【ロー付け】溶接は接着剤の役割!超硬合金を溶接する方法

ロー付け溶接を含む超硬合金の溶接方法とロー付けの種類

ロー付け溶接は、母材への影響を最小限にとどめながら接着させる際などに用いられます。そんなロー付け溶接について、具体的な活用シーンを知らない方もいるかもしれません。ここでは、ロー付け溶接が行われることも珍しくない超硬合金の溶接方法と、ロー付けの代表的な種類を解説します。

超硬合金を溶接する方法

溶接加工している人物01

多種多様なものづくりの現場では、金属を接続する目的で「溶接」が行われます。この溶接にはいくつかの方法があり、対象となる金属の種類や用途などに応じて、最適な方法が用いられているのが特徴です。

金属の主な溶接方法

金属の主な溶接方法には、以下の3つがあります。

・ロー付け

ロー付けとは、母材となる2つの金属の接続点に溶加材と呼ばれる金属を溶かしながら付着させ、固定する溶接方法です。溶加材と母材の融点の違いを利用するこの方法では母材への影響がほとんどなく、強度や寸法などに関して精密性が求められる場合に採用されます。とりわけ電子部品の製造工程においては、このロー付けが用いられることが多いのです。

・圧接

圧接では、金属を加熱することで溶融状態にしたあと、すぐにプレス機などを利用して高い圧力をかけ、接続します。薄い板状の金属の溶接などではこの方法が用いられることが多く、作業そのものの難易度が若干低いことから管理が容易である点は大きなメリットです。

・融接

融接は金属の一部分を加熱して溶かしたあと、冷却して接続する方法です。対象となる金属が大きい場合などに用いられることの多いこの方法には、アーク溶接などが該当します。この方法には接続部分にひずみが生じやすいことから、精密さが求められる部品の加工などにおいては、どうしても不向きとなってしまいます。

超硬合金の溶接に適した方法

超硬合金とは、その名前からもわかるように非常に高い強度が備わった合金のことです。超硬合金は熱にも強いことからそれ自体を溶かすことも容易ではなく、上述した3つの方法のうち圧接と融接には向いていません。

一方で、ロー付けは超硬合金を別の溶加材で接続できるため、その相性は抜群です。よって、超硬合金の溶接は基本的にロー付けで行われます。

溶接は接着剤の役割!ロー付けの代表的な種類

溶接加工している人物02

ロー付けを行う場合、その仕上がりをよりよいものにするために、母材の表面に形成された酸化被膜を除去する必要があります。ロー付けはこの酸化被膜の除去方法にもとづいて2種類に分けることが可能です。

ロー付けの代表的な種類

・フラックス

フラックスとは金属の表面に形成されている酸化被膜を除去することのできる化学薬品です。具体的には、このフラックスを活性温度になるまで加熱すると酸化被膜を分解する働きが活性化し、溶接による効果をより高めることも可能となります。

フラックスは流動性や耐熱性などを考慮しながら母材に合ったものを選ぶ必要があり、作業後は残渣の除去も行わなければなりません。

・真空ロー付け

真空ロー付けは、フラックスを使用しないため、後処理が不要で環境に優しい方法といえます。詳しく説明すると、炉の中を真空状態にしてから加熱し、母材を溶かすことなく、ロー材のみを溶かし接合する方法です。炉内の温度を高精度に管理調整できるため、精密部品の接合にも適しています。

他には、以下のような特徴があります。

  • 複雑な形状の接合や多数箇所の同時接合が可能です。
  • 全体加熱により、低歪で精度の高い接合が可能です。
  • 真空中で接合するため、酸化膜が形成されず見栄え良く接合ができます。

ローの種類にもとづく分類

ロー付けで使用されるローの種類は多岐にわたり、母材の性質などに応じて最適なものがローとして使用されます。したがって、厳密にいえばロー付けは使用するローの種類にもとづいて分類することも可能です。

ロー付けで使用される代表的なローの種類には銀やアルミ、銅などが挙げられます。ローの種類の違いは接合部の強度などにも影響を与えるため、目的にあったローを使用することが大切です。

超硬製品の精密加工や超硬合金の溶接のご依頼はプロテクノ堺へ!

金属の溶接方法には、ロー付け・圧接・融接の3種類があります。高い強度が求められる超硬合金の溶接では、母材への影響が極めて少ないロー付けを用いるのが一般的です。

ロー付けは酸化被膜の除去方法をもとに「フラックス」と「真空ロー付け」の2種類に分けることができます。また、使用するローの種類次第でその効果も変化するため、ロー付け時には母材の種類や用途などに対して最適なものを選ぶことが大切です。

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