ロー付け溶接の特徴や欠陥と酸化被膜の特徴・除去方法
ロー付け溶接は、異種材同士の溶接が可能であるため、より多くの用途で使用できるというメリットがあります。一方でロー付け溶接ならではの発生しやすい欠陥も存在することから、この溶接方法はその詳細や有効な対策を把握したうえで活用するのが効果的です。
ロー付けに発生する欠陥と対策
ロー付けは主に複数の金属を使用するものづくりの現場で行われます。特殊な工程で行われるこの方法で溶接を行う場合、その特性と生じやすい欠陥、およびその対策について把握しておかなければなりません。
そもそもロー付けとは?
ロー付けとは、母材を溶かすことなく溶接することができる加工方法です。2つの母材を溶接する箇所には母材とは異なる種類の溶加材を付着させ、融点の違いを利用して溶加材だけを溶かし、母材どうしを溶接します。
このことから、ロー付けには母材の形状の変化が生じにくく、あらかじめ寸法が明確に指定された溶接などで多用されます。このメリットはより一般的な溶接方法であるアーク溶接にもないことから、ロー付けには独自のメリットがあるという点も覚えておく必要があります。
ロー付けで発生しやすい欠陥
・ボイド
ロー付けでは、溶接時に発生したガスや酸化物などの異物が、接合部に包みこまれたような状態になってしまうことがあります。このような箇所をボイドといい、強度の低下などの原因となってしまうことも少なくありません。
・フィレットの形成不良
ロー付けでは用途に応じて、気密や水密の状態に仕上げなければならないこともあります。ローの量が少ないとフィレットの形成不良が生じてしまい、気密・水密性能が著しく低下してしまう原因となります。
・母材の損傷
母材の損傷もロー付けで生じやすい欠陥の1つです。この原因としては技術的なものだけでなく、母材や溶加材の種類に起因するものも挙げられます。
有効な対策
ロー付けで欠陥が生じるのを防ぐためには、作業者に高い溶接技術が備わっていることが必須です。また、欠陥の種類によっては母材や溶加材の種類が原因となることもあり、素材の相性などを考慮した適切な方法で溶接を行うことも不可欠となります。
酸化被膜とは?
ロー付けとの関連性が強い言葉として、「酸化被膜」が挙げられます。続いては金属の性質や強度などにも影響を与えるこの酸化被膜について解説します。
酸化被膜とは?
ロー付けも行われる多種多様な金属は、その表面が常に空気に触れている状態にあります。空気中に含まれる酸素は金属の表面に変化を生じさせ、それによって全体を覆うように形成される膜を酸化被膜といいます。
酸化被膜は金属を保護する役割があり、例えば錆びの発生を抑制することが可能です。また、酸化被膜には電気の伝導性を下げるという働きもあり、電気を通しにくい金属の多くはこの酸化被膜に覆われた状態になっています。
酸化被膜が生じやすい金属
酸化被膜はアルミニウムやステンレス、銅、鉄鋼などの多種多様な金属の表面に形成されています。これらの金属はものづくりの現場で使用されることも多く、防錆や電気伝導性の抑制といった酸化被膜がもたらす効果が有効活用されることも少なくありません。
酸化被膜が引き起こす問題
酸化被膜には、金属の保護などの観点から見るとメリットが多いように思えます。しかし、実際は酸化被膜が引き起こす問題も少なくありません。例えば酸化被膜には塗料が付着しづらく、塗装剥離を引き起こすこともあります。また、金属の塗装被膜が形成されている部分は溶接がしづらく、溶接不良による強度の低下などの問題が生じることも少なくありません。
酸化被膜の除去方法
いくつかのメリットがある反面、上述したような問題を引き起こす原因にもなる酸化被膜は除去されることも珍しくありません。酸化被膜の除去方法には、砥石などを利用した研磨によるものと、酸洗いなどによる化学反応を利用したものがあり、対象となる金属の用途に応じて最適な方法が用いられます。
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ロー付けには、母材への影響がほとんどないといったアーク溶接にはないメリットもあります。一方で、その加工時には欠陥が生じてしまうこともあることから、作業者には高い技術が備わっていなければなりません。
また、ロー付けとの関係も深い酸化被膜には金属を保護するという役割がある反面、デメリットもあります。そのため、溶接を行う際などには酸化被膜を除去することも珍しくありません。
プロテクノ堺では、高い技術を持った職人が幅広い金属加工を行っていますので、超硬合金の加工などについてもぜひ一度ご相談ください。
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